こんにちは。コレかも、運営者の「じむの」です。
「ロジクール マウス 比較表」で検索されたということは、今、どのマウスを選べばいいか真剣に悩んでいる最中かもしれませんね。ロジクールのマウスって、高性能で魅力的なモデルが本当に多いんです。私自身、デスク周りのデバイスにはついついこだわってしまって、新製品が出るたびにチェックを欠かせません。
ただ、ロジクールのラインナップは本当に多彩です。ビジネスの生産性を極めるMXシリーズ、eスポーツの世界で戦うGシリーズ、手首の健康を考えるErgoシリーズ、そしてコスパと機能のバランスが絶妙なSignatureシリーズ…。これだけ豊富だと、「自分にぴったりのおすすめモデルはどれ?」と迷ってしまうのも無理はないですよね。
特に、最新フラッグシップのMX Master 4と、いまだに人気の高いMX Master 3Sとの具体的な比較や、コスパモデルのM750とM650の細かな違い、さらには複数PCを操る「Logicool Flow」とは一体どんな機能で、自分に必要なのか…。具体的な違いが分かりにくいと感じている方も多いんじゃないでしょうか。
この記事では、そんなロジクールマウスの膨大な情報を私なりに整理して、主要なシリーズごとの特徴や、目的別の選び方を、分かりやすい比較表を交えながら徹底的に解説していきますね。あなたの「これかも!」が見つかるお手伝いができれば幸いです。
- ロジクールの主要4シリーズの総合比較
- クリエイター向け・ゲーミング向けモデルの詳細
- エルゴノミクス(縦型・トラックボール)の違い
- 目的別のおすすめモデルと選び方のコツ
最新ロジクールマウス比較表:主要4選

まずは「ロジクール マウス 比較表」をお探しの方へ、ロジクール製品群の全体像を掴んでいただくために、主要な4つのシリーズ(MX、G、Ergo、Signature)と、個性派のPOPシリーズの特徴を一覧でご紹介します。
ロジクールの戦略は明確で、MXシリーズのような「頂点(Pinnacle)」製品で開発した最新技術(例えば高性能ホイールや静音クリック)を、数年かけてSignatureシリーズのような「スタンダード」モデルに「民主化(Democratization)」させて、ブランド全体のレベルを引き上げています。
ですので、どのシリーズを選ぶかで「今すぐ最高の体験を得る」のか、「実績ある機能をコスパ良く手に入れる」のか、という選択にもなりますね。それぞれのターゲット層や強みが全然違うので、まずはここを掴むのが第一歩です。
| シリーズ名 | 主なターゲット層 | 主な特徴(強み) | 代表的モデル | 主要技術 | 想定価格帯 |
|---|---|---|---|---|---|
| MXシリーズ | プロフェッショナル、クリエイター | 最高の生産性、高精度センサー、複数デバイス操作(Flow)、最新のワークフロー革新機能。 | MX Master 4 , MX Anywhere 3S | Darkfield 8Kセンサー , MagSpeedホイール , Logicool Flow , Actions Ring | 13,000円~20,000円 |
| Gシリーズ (PRO) | eスポーツプロ、競技ゲーマー | 超低遅延、最高水準のセンサー精度、プロとの共同開発による軽量設計、勝利に直結するクリック技術。 | G PRO X2 SUPERSTRIKE , G PRO X SUPERLIGHT 2 | HERO 2 センサー , LIGHTSPEED , HITS(ラピッドトリガー) , LIGHTFORCEスイッチ | 18,000円~ |
| Gシリーズ (G5/G7) | 一般~熱心なゲーマー | 多機能、高度なカスタマイズ性、エルゴノミクスに基づいた快適な形状、RGBライティング。 | G502 X , G705 | HERO センサー, 多ボタン設計 , LIGHTSYNC RGB | 10,000円~22,000円 |
| Ergoシリーズ | 長時間PC作業者、手首の疲労懸念者 | 身体的負担の軽減、科学的に検証された自然な操作姿勢(縦型またはトラックボール)。 | LIFT , MX ERGO | 縦型(57°)デザイン , トラックボール, 角度調整機能 | 8,000円~19,000円 |
| Signatureシリーズ | 一般オフィス、ホームユース、学生 | 高コストパフォーマンス、静音性、確実な基本性能。「新定番」としての厳選された機能。 | M750 , M650 | SilentTouch (静音クリック) , SmartWheel , Logi Bolt | 4,000円~6,000円 |
| POPシリーズ | デザイン・個性を重視するユーザー | ポップなデザイン、絵文字(Emoji)ボタンによるコミュニケーション機能。 | POP Mouse | 絵文字ボタン , 静音性, 2年間の電池寿命 | ~3,000円 |
※価格帯は2025年11月時点の調査にもとづく一般的な目安です。変動する可能性があるため、最新の価格は各販売サイトやロジクール公式サイトでご確認ください。
MXシリーズ比較: クリエイター向け
MXシリーズは、ロジクールの中でも「生産性を極める」ためのフラッグシップモデルです 。プロのクリエイターやエンジニア、そして私のように複数のPCや膨大な情報を日常的に扱う人にとっては、まさに「最強」の相棒と言えるかもしれません。「思考を止めない」 というコンセプトがぴったりですね。
その中核技術は、もはやお馴染みの「Darkfieldセンサー」(ガラス面でも使える高精度センサー )と、「MagSpeedホイール」(1秒に1,000行スクロールできる電磁気式ホイール )です。
2025年10月30日に登場した最新モデル「MX Master 4」 は、これまでの「スペック上の完成形」だったMX Master 3S から、さらに一歩進んだ「操作パラダイムの変革」を感じさせます。
MX Master 4の最大の目玉は、新機能の「Actions Ring」 と「ハプティック(感触フィードバック)」 です。Actions Ringは、カーソルの周りによく使うツールをリング状に呼び出せる機能 で、例えばFigmaのようなクリエイティブソフトでのアセット調整などを、画面の端にあるツールバーに視線を移すことなく手元で完結できます 。これにより作業時間が最大33%短縮できる とされており、まさにプロ向けの機能強化ですね。(出典:ロジクール公式サイト Actions Ring解説)
主なモデルの違いを比較表にまとめました。
| モデル名 | センサー | スクロール | 新機能/主要機能 | クリック音 | 接続 | 重量 | 主な対象 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| MX Master 4 | Darkfield 8K DPI (200-8000) | MagSpeed (電磁気) | Actions Ring , ハプティック , Flow | 静音 (よりソリッドな感触) | Logi Bolt, Bluetooth 5.1 | 150 g | ワークフローの革新を求める人 |
| MX Master 3S | Darkfield 8K DPI (200-8000) | MagSpeed (電磁気) | Flow | 静音 (Quiet Clicks) | Logi Bolt, Bluetooth | 141 g | 完成された静音・高精度を求める人 |
| MX Anywhere 3S | Darkfield 8K DPI (200-8000) | MagSpeed (電磁気) | Flow, コンパクト | 静音 (Quiet Clicks) | Logi Bolt, Bluetooth | 99 g | 性能を妥協しないモバイルワーカー |
もう一つ、MX Master 4の大きな変更点として、素材の見直しがあります。MX Master 3Sは表面がラバーコーティングで、「手に吸い付く」ような抜群のグリップ感が魅力でした。しかし、この素材の宿命として、経年劣化で表面がベタついてくるという弱点があったのも事実です(私も経験があります…)。
MX Master 4は、この弱点を克服するために、より耐久性のあるプラスチック素材(マイクロドットテクスチャ)に変更されました 。これによりベタつきの心配はなくなりましたが、一部のユーザーからは「3Sに比べると少し滑りやすくなった」 という声もあるようです。これは、長期的な耐久性と、新品時のグリップ感とのトレードオフかなと思いますね。
Gシリーズ比較: ゲーミング最強モデル
Gシリーズは、コンマ1秒を争うシビアなゲーマー向けのラインナップです。ロジクールのゲーミング技術の粋が詰まっていますね。
特に「PRO」シリーズ は、G2 EsportsやNAVIといった世界トップクラスのeスポーツアスリートと共同開発されており 、遅延のなさ、センサー精度、そして極限までの軽量化が尋常じゃありません。 G502 X のような多機能・快適性重視のモデルとは、設計思想が根本から異なります。
現行モデルの「G PRO X SUPERLIGHT 2」 は、まさに「現在のeスポーツの完成形」。60gを切る超軽量ボディ に、業界最高水準のHERO 2センサー 、LIGHTFORCEハイブリッド光学式スイッチ 、そして8000Hzの超高速ポーリングレート という、勝利に必要なすべてを詰め込んだモデルです。
そして、2026年初頭に登場が噂されているのが、次世代機「G PRO X2 SUPERSTRIKE」 です。これは、ゲーミングマウス界隈にとってちょっとした「事件」かもしれません。
新技術「HITS(ラピッドトリガー)」とは?
このSUPERSTRIKEの核となるのが、近年ゲーミングキーボード界隈で革命を起こした「ラピッドトリガー」を、業界で初めてマウスのメインクリックに搭載する「HITS (Haptic Inductive Trigger System)」というロジクール独自の新技術です 。
従来の「カチッ」と入る機械式や光学式スイッチとは異なり、電磁場を使った「誘導型アナログセンシング」 を採用しているのが最大の特徴です。これにより、主に3つの革命的な利点が生まれるとされています。
HITS技術がもたらす3つの革新
- 調整可能な作動点: クリックが「反応する深さ」を、0.6mmのトラベル内で10段階に調整できます 。浅くすれば超高速反応、深くすれば誤クリック防止、といったカスタマイズが可能です。
- ラピッドトリガー: これが革命の核心です。ボタンを「離した」瞬間にリセット(反応オフ)されます(5レベルで調整可能) 。これにより、FPSなどでの高速な連射(タップ撃ち)や「ストッピング(急停止して撃つ)」動作の精度が劇的に向上すると期待されています。クリック遅延が9~30ms削減される というデータもあるようです。
- ハプティックフィードバック: アナログセンサーには物理的な「カチッ」という感触がありません。その代わりに、設定した作動点で「ハプティクス(振動)」をリアルタイムに返すことで、物理クリックの感触を再現し、操作の確実性を担保します 。
トラッキング(手の動き)だけでなく、「クリックの仕方」までカスタマイズ可能になる、まさに次世代の技術ですね。
| モデル名 | センサー | 最大DPI | スイッチ技術 | 主要技術 | 重量 | 発売/価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| G PRO X2 SUPERSTRIKE | HERO 2 | 44,000 | HITS (誘導型アナログ) | ラピッドトリガー, 調整可能作動点, ハプティクス | 65 g | 2026年Q1予定 , $179.99 |
| G PRO X SUPERLIGHT 2 | HERO 2 | 32,000 | LIGHTFORCE (光学機械式) | LIGHTSPEED, 超軽量 | 60g未満 | 発売中 |
| G502 X | (HERO系) | (非公開) | ハイブリッドスイッチ | 多ボタン , 快適な形状, RGB | (非公開) | 発売中, 約19,800円~ |
SUPERSTRIKEは、HITS技術の搭載(と恐らくハプティクス用モーター)の影響で、SUPERLIGHT 2よりわずかに重く(65g) なっていますが、それを補って余りある革新的な機能を持っています。競技シーンで勝ち筋を太くしたいゲーマーにとって、見逃せない比較対象になりそうです。
エルゴノミクス比較: 縦型とトラックボール
「長時間PC作業してると、どうも手首が疲れる…」「最近、腕や肩の凝りがひどい」という方には、Ergo(エルゴノミクス=人間工学)シリーズがおすすめです。これは利益を追求する「生産性」と、自分の身体を守る「健康」を両立させるための、非常に重要なラインナップですね。
一般的なマウスは、手のひらを下に向けて机と平行に握るため、手首(前腕の骨)が不自然にねじれた状態が続きます。これが長時間の負担につながるわけですが、ロジクールはこの問題に対して、2つの異なるアプローチを提案しています。
Ergoシリーズの2つのアプローチ
LIFT (リフト): 縦型マウス
これは「マウス操作の姿勢を改善する」というアプローチです。「自然な握手」と同じ57°の角度が特徴 で、手首のねじれを解消し、圧力を軽減します。操作感は通常のマウスに近いため、移行しやすいのがメリットですね。重要なのは、これが「スモール~ミディアムサイズの手」向けに最適化されており、「左手用」モデルも用意されている点です 。
MX ERGO (エムエックス エルゴ): トラックボール
こちらは「マウス操作(腕の動き)自体をなくす」という、より抜本的なアプローチです。親指でボールを操作し、手と腕は完全に固定します 。これにより腕や肩への負担が最小限になります。こちらは「中~大サイズの手」にフィットしやすく、0°と20°の角度調整機能も備えた、よりプレミアムなエルゴノミクスソリューションと位置づけられています。
選択の基準は「手の大きさ」と「操作の好み」ですね。
| モデル名 | タイプ | 操作方法 | 主な特徴 | ターゲット(手のサイズ) | 接続 | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| LIFT | 縦型マウス | 手全体を動かす | 57°の「自然な握手」角度 , 手首の圧力軽減 | 小~中サイズ, 左手用あり | Logi Bolt, Bluetooth | 約8,000円 |
| MX ERGO | トラックボール | 親指でボールを操作 | マウス本体を動かさない, 角度調整機能 | 中~大サイズ | Logi Bolt (MXTB2d) or Unifying (MXTB1s) , Bluetooth | 約12,000円~19,000円 |
LIFTは、通常のマウス操作に慣れた人がエルゴノミクスに移行する際の最初の選択肢として最適です。一方、MX ERGOは、マウス操作に割り当てられる机のスペースが非常に狭い場合や、とにかく腕を動かしたくないという強いニーズがある場合に、最高の選択肢になると思います。
健康に関するご注意
エルゴノミクス製品は、身体的負担を軽減するよう科学的に設計されていますが、すべての人に快適さや効果を保証するものではありません。痛みや不快感が続く場合は、製品の使用を中止し、速やかに医療専門家にご相談ください。
Signature比較: M750とM650の違い
Signatureシリーズは、ロジクールが「これからのスタンダード(新定番)」 と位置づけている、最もコストパフォーマンスに優れたラインです。
「MXシリーズほどの多機能・高価格は求めていない。でも、数千円で売られている安価なマウスの、うるさいクリック音や、ギコギコと安っぽいホイールの感触には我慢できない」…そんな、一般オフィスワーカーや学生さんの「ちょうどいい」ニーズに応えるシリーズですね。
このシリーズのすごいところは、まさに「ハイエンドの民主化」を体現している点です。かつてのハイエンド機能であった「SilentTouch(静音クリック)」 と、状況に応じてラチェット(カチカチ)と高速(フリースピン)を自動で切り替える「SmartWheel」 を、この価格帯でしっかり搭載している点です。静かなカフェや図書館、オフィスでも、クリック音を気にせず作業に集中できます。
さて、このシリーズでよく比較されるのが「M750」と「M650」の違い ですが、これが少し分かりにくいかもしれません。基本性能はほぼ同じだからです。
M750とM650の決定的な違い
Signature M650 (スタンダード)
最大の特徴は、2つのサイズ展開があることです 。M650(小~中サイズ)とM650L(大サイズ)があり、自分の手の大きさにぴったり合うものを選べます。これはマウス選びにおいて非常に重要なポイントですね。価格は約4,800円前後です 。
Signature M750 (アップグレード版)
こちらはレギュラーサイズのみです 。M650の基本機能(SmartWheel, SilentTouch, Logi Bolt)はすべて搭載した上で、「Logicool Flow」に対応しています 。価格は約5,100円前後 と、M650よりわずかに高価です。
つまり、選択の基準は非常にシンプルです。
- 自分の手に合う「サイズ」を最優先するなら → M650 / M650L
- (レギュラーサイズが手に合う前提で)複数PCを操作する「Flow機能」が欲しいなら → M750
M650L(ラージサイズ)が手に合う人で、かつFlowも使いたい…というニーズには応えられないのですが、そこは製品ラインナップの棲み分けということでしょう。たった数百円の差でFlow機能が手に入るM750は、複数PCを使う人にとっては破格のコストパフォーマンスモデルだと思いますね。
機能比較: Logicool Flowとは?
先ほどのM750や、MXシリーズの比較でも必ず出てくる「Logicool Flow」 ですが、これはロジクールのマウス(とキーボード)を使う上で、非常に強力な「エコシステム(ロジクール経済圏)」の武器になる機能です。
Logicool Flowとは、最大3台の異なるPC(WindowsとMac間でもOK)を、1つのマウスとキーボードでシームレスに操作できる技術のことです 。
「それって、マウス底面のボタンでPC1、PC2、PC3って切り替える(Easy-Switch)のと何が違うの?」と思われるかもしれません。全く違います。
例えば、WindowsのデスクトップPCとMacBookを横に並べているとします。Flowを設定すると、Windowsの画面端にカーソルを持って行くだけで、スッとカーソルがMacBookの画面に「ジャンプ」して、そのままMacの操作を続けられます。 ボタンを押す必要は一切ありません。
これ、すごくないですか?
Logicool Flowでできること
- シームレスなカーソル移動: 画面の端に行くだけで、PC間を自動で切り替え。デュアルモニター感覚で別々のPCを操作できます 。
- OS間のコピー&ペースト: Windowsでコピーしたテキストやファイル(画像など)を、そのままMac側に移動してペーストできます 。
- キーボードの自動追従: Flow対応のキーボード(MX Keysなど)を使っていれば、マウスのカーソルが移動した先のPCに、キーボードの入力先も自動で切り替わります。
私も家でメインのWindows PCと、サブのMacBookを並べて使っているので、この機能には本当にお世話になっています。テキストや画像をPC間で受け渡すためだけに、クラウドストレージやチャットツールに一度アップロードする…というあの不毛な作業から解放されます。一度体験すると、もうFlowなしの環境には戻れないかもしれません。
Flowを使うための前提条件
ただし、この魔法のような機能を使うには、いくつか前提条件があります 。
- Flow対応マウス(MXシリーズやM750など)が必要です。
- すべてのPCに「Logicool Options+」という専用ソフトウェアをインストールする必要があります。
- すべてのPCが「同じWi-Fiネットワーク(同一セグメント)」に接続されている必要があります 。
この「同一ネットワーク」が意外な落とし穴で、自宅のWi-Fiなら問題ありませんが、例えば会社のセキュリティが厳しいネットワークだと、有線LANと無線LAN(ゲストWi-Fiなど)が別ネットワーク扱いになっていて、Flowが使えない場合があります。導入を検討している環境がこの条件を満たせるか、事前に確認が必要ですね。
目的別ロジクールマウス比較表と選び方

ここまではシリーズごとの機能や特徴を比較してきましたが、ここからは視点を変えて、技術や「あなたのやりたいこと」に焦点を当てた、より具体的な選び方を解説していきます。
「Logi Boltって何?」「持ち運び用のおすすめは?」「結局、MX Master 4と3Sはどっちがいいの?」といった、多くの人が抱えるピンポイントな疑問に、私なりの回答をお答えしていきますね。ここからが、あなた個人の「最適解」を見つけるフェーズです。
機能比較: Logi BoltとUnifying
ロジクールのワイヤレスマウスを買うとき、付属品に「USBレシーバー」が付いてくるモデルがあります。このレシーバーの規格として、現在「Logi Bolt」(現行)と「Unifying」(旧世代)という2つが混在しています。
これは、特にこれからマウスやキーボードを揃えていこうと思っている方にとっては、知っておかないと後で「しまった!」と後悔する可能性がある、非常に重要な比較ポイントです。
結論から言うと
- Logi Bolt (現行・推奨): セキュリティが強固で、接続が安定。 最新のMX Master 4/3S やLIFT 、M750/M650 など、2022年以降のビジネス・生産性モデルはすべてこれです。
- Unifying (旧世代): 以前の世代の規格です。MX ERGOの一部モデル や、旧世代の製品(MX Master 3など)で採用されていました。
なぜUnifyingからLogi Boltに移行しているかというと、現代のオフィス環境(特にハイブリッドワーク)において、「セキュリティ」と「接続の安定性」が、以前とは比べ物にならないほど強く求められるようになったからです。
Logi Boltは、Bluetooth Low Energyの技術をベースに、米国の政府標準(FIPS)にも準拠する強力な暗号化(セキュリティモード1、レベル4)を採用しています。また、Wi-Fiや他のBluetooth機器が密集するノイズの多い環境でも、途切れにくい安定した接続を実現しているそうです。
【最重要】Logi BoltとUnifyingの互換性
この2つの規格には、一切の互換性がありません。
- Logi Boltレシーバーで、Unifying対応のマウスやキーボードは動かせません。
- Unifyingレシーバーで、Logi Bolt対応のマウスやキーボードも動かせません。
「USBレシーバー1個で、マウスもキーボードも全部まとめたい!」と考えるのは普通のことですが、うっかり古いUnifying対応のキーボードと、最新のLogi Bolt対応マウスを買ってしまうと、PCのUSBポートを2つも占領してしまう…という悲劇が起こります。
これから新しく揃えるなら、将来性も考えて「Logi Bolt」対応製品で統一するのが絶対におすすめです。Unifyingは、残念ながらレガシー規格(過去の規格)と言えますね。
おすすめ: 持ち運び(モバイル)用なら
「カフェやコワーキングスペース、出張先にも、メインPCと同じくらい高性能なマウスを持っていきたい」という、私のようなモバイルワーカーの方には、迷わず「MX Anywhere 3S」 をおすすめします。
「Anywhere(どこでも)」という名前は伊達じゃありません。このモデルは、MX Masterシリーズの主要機能を、わずか99gのコンパクトな筐体に凝縮した「持ち運ぶフラッグシップ」です 。
もちろん、フラッグシップのMX Master 4や3Sと比較すると、大きな違いもあります。最も分かりやすいのは、「サイズ」と「横スクロールホイール」の有無です。Anywhere 3Sは非常にコンパクトなため(それが最大のメリットですが)、Masterシリーズにある親指の横スクロールホイールはありません。その代わり、サイドボタンを押しながらメインホイールを回すことで、横スクロール操作が可能です。
しかし、モバイルマウスとしては破格とも言える、以下の「最強機能」はしっかりと搭載しています。
MX Anywhere 3Sのモバイル性能
- Darkfield 8Kセンサー: これが本当に強力です。カフェのツルツルした大理石テーブルや、ホテルのガラストップの机など、普通のマウス(特に赤色LEDの光学式)が全く反応しない場所でも、問題なく正確にトラッキングできます 。
- MagSpeedホイール: あの1秒間に1,000行スクロールできる電磁気ホイールが、このコンパクトサイズで使えます 。外出先で長いドキュメントやWebページを読むときに、絶大な威力を発揮します。
- 静音クリック (Quiet Clicks): 静かなカフェや新幹線の中、コワーキングスペースでも、カチカチというクリック音を気にせず作業に集中できます 。これはモバイル環境において非常に重要なマナーであり、メリットです。
- Logicool Flow: もちろん対応しています。出張先のPCと自分のノートPCを並べて操作する、なんていう場面でも活躍します。
性能に一切妥協したくないモバイルワーカーや、あるいは手のサイズが比較的小さいためにMX Masterシリーズの大きさが合わなかった、という方にとっては、MX Master 4よりも「MX Anywhere 3S」の方がベストな選択になる可能性は十分にありますね。
MX Master 4と3Sの比較
さて、この記事の中でも一番の注目トピックかもしれません。「MX Master 4」と「MX Master 3S」。この2つは、ロジクールの生産性マウスの「現行フラッグシップ」と「前世代の完成形」であり、どちらを選ぶかは非常に悩ましい問題だと思います。価格も近いですしね 。
MX Master 3Sは、「8K DPIセンサー」と「静音クリック」を搭載した時点で、スペック上は「ほぼ完成形」と多くのユーザーから評価されていました。じゃあ、最新のMX Master 4 は、一体何が、どのように進化したのか?
この2モデルの比較ポイントは、大きく分けて「1. 操作のパラダイム(新機能)」、「2. 質感と耐久性(素材)」、そして「3. 細かな形状と感触」の3点です。
1. 操作のパラダイム(新機能)
MX Master 4は、3Sのスペックを単純に向上させる(例:DPIを16Kにする)という方向ではなく、「マウスの操作概念を拡張する」という方向へ舵を切りました。
- Actions Ring (4のみ): カーソル上にツールをリング状にオンスクリーン表示する機能です 。対応ソフト(Figmaなど )では、ツールバーとの往復動作を無くし、作業効率を劇的に上げる可能性があります。これは、特定(しかし強力)のワークフローを持つクリエイター向けの「攻め」の機能と言えます。
- ハプティクス (4のみ): 感触フィードバックです 。ホイールのモード切替時や、Actions Ringの操作時に振動が返ってくることで、操作の確実性を高めます。一部のレビュー では「あってもなくても良い」という声もありますが、これはPC操作に「触覚」という新しい情報が加わる、未来への第一歩かもしれません。
あなたがFigmaなどの対応ソフトを多用するクリエイターなら、Actions Ringは「買い」の強力な理由になるかもしれません。逆に、それ以外の作業がメインなら、現時点では宝の持ち腐れになる可能性もあります。
2. 質感と耐久性(トレードオフ)
これは非常にリアルな問題で、3Sユーザー(だった人)ほど悩ましいポイントです。
- MX Master 3S: 表面がラバーコーティングで、「手に吸い付く」ような抜群のグリップ感が最大の魅力の一つでした 。しかし、日本の高温多湿な環境や手の脂の影響で、数年使うと経年劣化でラバーが加水分解し、ベタつくという致命的な弱点がありました。
- MX Master 4: この弱点を完全に克服するため、より耐久性のあるプラスチック素材(マイクロドットテクスチャ) に変更されました。これにより、長期使用でのベタつきの心配はなくなりました。しかしその代償として、3Sの「吸い付くグリップ感」は失われ、「少し滑りやすくなった」 と感じる人がいるようです。これは明確なトレードオフですね。
3. 重さと形状、クリック感
細かな点ですが、毎日触るものだからこそ重要です。
- 重さ: MX Master 4は3Sよりわずかに重く(141g → 150g )なっています。より「しっかりした高級感」 とも言えますが、持ち上げて操作することが多い人は慣れが必要かもしれません。
- 形状: 手のひらを置く部分の傾斜が、4の方が3Sよりも「緩やか」になっています 。これはどちらが良いか、完全に個人の手の形や好みによりますね。
- クリック感: どちらも静音クリックですが、4のクリック感は、3Sの静音性を維持しつつ、より「ゴツい」というか「ソリッドでしっかりした」感触に進化している と評価されています。安っぽさがなく、押した感触が明確になっているようです。
結局どっちを選ぶべき?
私の考えとしては、こんな感じかなと思います。
MX Master 4がおすすめな人
・Actions Ringやハプティクスという「新しい操作体験」に投資したい人
・MX Master 3Sのラバーの経年劣化(ベタつき)を経験し、絶対に避けたい人
・よりソリッドで高級感のあるクリック感を求める人
・常に最新・最高のフラッグシップを持ちたい人
MX Master 3Sがおすすめな人
・(新品が手に入る前提で)何よりも「手に吸い付く」ラバーのグリップ感が好きな人
・Actions Ringなどの新機能は不要で、「完成された静音性と高精度」を求める人
・(新モデル登場による値下げなどで)4よりも安価に入手できるタイミングを狙う人
・わずかでも軽い方が良い人 (141g)
どちらを選んでも「非常に優れたマウス」であることは間違いありません。最後は「未来への新機能と耐久性」を取るか、「実績ある完成度とグリップ感」を取るか、というあなたの価値観と好みになりそうです。
おすすめ: 目的別モデルの選び方
ここまでシリーズごと、機能ごとに詳細な比較をしてきましたが、最後に「あなたに最適なのはコレかも?」という目的別の選び方を、私からの推薦としてまとめてみます。情報が多すぎて迷ってしまった方は、ここから絞り込むのもアリですね。
目的別・おすすめモデル選定ガイド
A. 高度な作業効率を求めるプロ・クリエイター
→ MX Master 4
理由: 最高のDarkfield 8Kセンサー 、MagSpeedホイール はもちろん、「Actions Ring」 という新しいワークフロー変革に投資する価値があります。ラバーのベタつきからも解放される 、まさに「思考を止めない」 ための現行最強デバイスです。
B. 持ち運びと性能を両立させたいモバイルワーカー
→ MX Anywhere 3S
理由: MX Masterの主要機能(8Kセンサー、MagSpeed、静音 )を、どこにでも持ち運べる99gのコンパクトな筐体に凝縮しています。カフェのガラス机でも使える のは、モバイルワーカーにとって最強の武器です。
C. 勝利を目指すeスポーツ・競技ゲーマー
→ G PRO X SUPERLIGHT 2 (現行) / G PRO X2 SUPERSTRIKE (次世代)
理由: SUPERLIGHT 2は、プロ標準の「現行の完成形」 。しかし、もしあなたが競技の頂点を目指すなら、「ラピッドトリガー」 を搭載し、クリックの常識を変える可能性があるSUPERSTRIKE の登場を待つ(あるいは投資する)価値は十分にあります。
D. 手首の負担を最優先で軽減したい
→ LIFT (縦型) または MX ERGO (トラックボール)
理由: 手のサイズが小~中、または左利きで、マウス操作に近い感覚で移行したいならLIFT がおすすめです。手のサイズが中~大で、腕や肩の負担をゼロにしたい、あるいは机のスペースが極狭ならMX ERGO が最適解になります。
E. 確かな基本性能とコスパを求める一般ユーザー
→ Signature M650 または M750
理由: ロジクールの「新定番」 として、「静音クリック」と「SmartWheel」 という2大快適機能を搭載。5,000円以下の価格帯 でこの満足度を提供するのは驚異的です。手のサイズでM650/M650L を、複数PC操作(Flow)が必要ならM750 を選びましょう。
総括: ロジクールマウス比較表の決定版

今回は「ロジクール マウス 比較表」をテーマに、プロ向けからスタンダードまで、主要な全シリーズを徹底的に比較してきました。
こうして並べてみると、ロジクールのマウス選びは、単なるスペックや価格の比較ではなく、自分の「働き方」や「プレイスタイル」、さらには「手のクセ」や「身体の健康」とどう向き合うか、という奥深い選択なんだなと改めて感じます。
MXシリーズのような「時間(生産性)を買う」ための投資。
Gシリーズのような「勝利(コンマ1秒)を買う」ための投資。
Ergoシリーズのような「健康(将来の身体)を買う」ための投資。
そしてSignatureシリーズのような「快適な日常(コスパ)を買う」ための投資…。
あなたの価値観はどこにあるでしょうか。
この記事で整理した、私なりのロジクール マウス 比較表が、あなたの「これかも!」と思える最適な一台、あなただけの「相棒」を見つけるためのヒントになれば、とても嬉しいです。
免責事項
この記事に掲載されている製品の仕様、価格、発売時期(特に未発売の製品 )に関する情報は、2025年11月時点の調査に基づくものです。機能や価格 は、メーカーや販売店の都合により、予告なく変更される場合があります。
購入を検討される際は、必ずロジクールの公式サイトや各販売店で最新の正確な情報をご確認いただくようお願いいたします。また、健康に関する記述 は一般的な情報提供であり、医学的な助言や効果の保証を意図したものではありません。身体に不調を感じた場合は、専門家にご相談ください。



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